2011年11月10日木曜日

賞状ができました

最近、受注でつくったもの。

賞状!


選ばれし名工に贈られるという

木版摺り賞状です。


マークの漉かれた和紙は

京都の黒谷和紙で 

ふんわりやさしい雰囲気。



こういった手漉きの紙の場合

にじみ止めが施されていないケースが

よくあるので

私たちが行うのはそこから。


“ドーサ引き”といって

にじみ止めの工程をふみます。































このドーサ引きをするときは

工房の天井一面が真っ白!


そのまるで洗濯物のように

吊るされた“かみ様”にぶつからないように

頭を低くして動かねばなりません。


その後

いつものように摺って

摺りあがったら

また天井に並べて乾かします。

















じゃん!






大切に飾られるものを

つくらせてもらえるということは

とても幸せなことです。

2011年11月4日金曜日

個展:くだもの展覧会

10月の最終週に

「くだもの展覧会~木版画の美味しいくだもの~」

という個展を開催しておりました。


今回はタイトルどおり

くだもの作品です。


木版画の展示には

見る方が箱の中のくだものを覗くようなイメージの額!

ということで

木箱額を木工家の方にあつらえてもらいました。


それぞれペンキでうっすら色づけされた

杉の額です。 


いいにおい!



















それにしても

“木版画らしい”ということについて

よく言われるし たまに考えます。


木版画らしいというか

実際木版画だし うむむむ。


時にふわっと 時にきりっと

時にかすれて 時にムラひとつなく

時に重なり 時にグラデーション。



摺師の仕事をしていると

ほんとうにたくさんの摺りに出会うので


その都度

これも木版画なのか!という驚きもあり

なかなかこんなんが“木版画らしい”なんて

今のところ安易に定義づけられません。

( “これは摺らないように摺りなさい”

なんて 

へんてこな指導をされることもあるくらい! )



でも

たくさんの作品を摺りで携わっている上で

自分の制作もできるということは

とても幸せな立場であると思います。



足をお運び戴いたたくさんの方

ありがとうございました。


ひとつの発表の場を終え

また あらたな作品への

歩みがはじまります。